修了者の声

PROFILE

プログラム・コース DS人文社会統計学コース

西村 友佳 さん

関西学院大学大学院文学研究科
博士課程後期課程2年(2019年3月修了当時)

研究内容と4月以降の進路について教えてください。

私の専門分野は認知心理学です。人が他者の顔をどのように認識しているのか、どのように記憶しているのかについて、行動実験を通して研究しています。
4月からはKDDI株式会社とアクセンチュア株式会社のジョイントベンチャーである株式会社ARISE analyticsでデータサイエンティストとして勤務することになりました。業務内容は配属先によりますが、例えばデータに基づいたKDDI顧客のニーズ把握や理解、最適なサービスレコメンドなど顧客体験価値の最大化を目指すものがあります。

「DSデータ科学」を受講しようと思った動機について教えてください。

新しいプログラムができたということで、試しに受けてみようと思いました。また、シラバスに書かれていた内容から研究場面以外での実践が重視されていることが伺え、とても面白そうだったことも要因の一つです。

「DSデータ科学」を受講して良かったこと・大変だったことはありましたか。

受講して良かったことは、基礎的な統計学の知識を再確認できただけでなく、これまで身につけてきた分析スキルを現実の(実験室の外での)問題解決の場面でどのように活かせるのかを体感することができた点です。「データ科学PBL」などグループワークを実施する科目では、短期間で課題を解決しないといけなかったので大変ではありましたが、班の皆さんと楽しみながら取り組めたと思っています。

「DSデータ科学」を受講し、自身の研究・進路決定に良い影響がありましたか。

研究職以外の仕事としてデータを収集し、分析する方々が日頃どのようなことをしているのか、何が求められるのかを知ることができ、自分がこれまで心理学を専攻していたことはきっと強みになるだろうと感じました。この気づきがデータサイエンティストを目指すきっかけになったと思います。また、自分の強みを生かしていくためにも、日々の研究活動を地道に頑張っていこうと思うことができました。
企業の選考では、これまでコツコツと継続して研究を行ってきたことや、それに伴って身についた文章作成や説明の技術が評価されました。中でも説明の技術を高めるのには、「数理特論Ⅲ」で自分の専門分野について専門外の方に説明する練習をしたことが役立ったと思います。
博士課程後期課程まで進学した文系大学院生が専門職で企業へ就職することは、理系分野と比べると少ないですが、これからの自分のキャリアが事例のひとつになればいいなと考えています。

「DSデータ科学」のおすすめポイントは何ですか。

自分と異なる分野でデータと向き合ってきた院生や社会人の皆さんと出会えることだと思います。同じ問題に取り組んでいても、専門分野が違うと問題の捉え方や解決の方向性が変わるところが面白かったです。また、グループワークの合間に皆さんがどのような研究・お仕事をされているのかを聞くことも楽しかったです。

「DSデータ科学」に今後期待することは何ですか。

新しい分析手法の登場に耐えられる基礎力を固めつつ、学んだことを実際に使ってみる経験を積ませてほしいです。持っている知識を総動員して自分の研究では扱わないようなデータを処理する経験は、ここへ来ないとなかなかできないことかなと思います。

「DSデータ科学」受講を検討している方へメッセージをお願いします。

ここで得た知識や考え方は、将来データサイエンティストにならなかったとしても、きっとどこかで役に立つはずです。この機会をぜひ楽しんでください。

PROFILE

プログラム・コース DS統計数理コース

岡部 桃子 さん

神戸大学大学院農学研究科
博士前期課程2年(2020年9月修了当時)

研究内容と卒業後の進路について教えてください。

大学院在籍中は、森林資源学研究室で火災によって変化する北方林の動態について研究し、森林動態を再現するシミュレーションなどを作成していました。
4月からは株式会社NTTデータ数理システムに勤務しています。数理最適化、機械学習、テキスト分析、シミュレーション等のソフトウェア開発やコンサルティング、受託システム開発などを行っている会社です。

「DSデータ科学」を受講しようと思った動機について教えてください。

学部の時、他学科で開講されていた数値解析やプログラミングの授業を受けたことをきっかけに統計学に興味を持つようになりました。その後神戸大学の数理データサイエンスセンターの授業を受講するようになり、「DSデータ科学」にも興味を持ちました。

「DSデータ科学」を受講して良かったこと・大変だったことはありましたか。

それまで自分の分野のデータ以外はほとんど触ったことがなかったのですが、カリキュラムを通して様々な分野でどのようにデータが扱われているのかを聞いたり実際にデータに触れたりすることで勉強になったと感じました。また、統計の専門の方に自分の研究でのデータの加工について相談でき、参考になりました。
一方で、主に授業が行われる大阪大学は神戸大学から距離があるので、自分の研究や神戸大学で受講したい授業とのスケジュールの調整が大変でした。

「DSデータ科学」を受講し、自身の研究・進路決定に良い影響がありましたか。

「DSインターンシップ」では、インターン先で数理最適化の技術を使ったソフトを利用させていただきました。その体験がとても面白かったこと、また社員さんたちにも影響を受け、就活の軸をデータサイエンスの方向に向けました。最終的には、インターン先の株式会社NTTデータ数理システムから内定をいただき、就職が決まりました。

「DSデータ科学」のおすすめポイントは何ですか。

大学の先生方や他の大学院の学生さんはもちろん、製薬会社や広告代理店、官公庁など様々な方のお話を伺えたことはとても勉強になりました。特に就活を控えている時期に社会でデータや統計学がどのように利用されているのか知ることができてよかったと思います。また、自分の研究について他分野の人に話したり他分野の方のお話を聞いたりすることで新しいアプローチにたどり着けることもありました。

「DSデータ科学」に今後期待することは何ですか。

授業自体はとても面白かったのですが、他大学まで毎週授業を受けに行くのは難しく、あきらめた授業もありました。オンライン授業や集中講義などの形であれば授業が行われる大学以外の人も勉強しやすいのではないかなと思います。

「DSデータ科学」受講を検討している方へメッセージをお願いします。

「DSデータ科学」を受講するか検討していた時、研究に十分な時間が取れなくなるのではないかという懸念もありました。でも結果的にはこの授業で得られた知識は自分の研究をブラッシュアップする良い刺激になったと思います。この機会にぜひ受講してみてください。